第65回日本口腔衛生学会総会@東京

今回の学会は栄養学に関する講演が目立ちました。
う蝕(ムシ歯)と砂糖の関係というのは、かなりの昔に医学的に解明されておりまして、予防法が確立してから相当な期間が経過しております。
そんなわけで、歯科界には砂糖に関する研究の専門家がいなくなって久しいのだそうです。
しかし、医学全般に目を向けると、近年、砂糖に関する注目が急速に高まっております。
食の多様さが失われると、健康を害するということは、いわば定説でありまして、統計学的にも十分なエビデンスが得られているわけですが、食の多様さが失われている人の多くが、糖質の過剰摂取に陥っているわけです。
要するに、色々な種類の食べ物をバランス良く食べることが大切なのですが、バランスを失って、偏った食事をとっている人の多くは、何故か糖質に偏ってしまうのだそうで、やはり糖質というのは麻薬性があるのかもしれません。
現在、糖質、特に砂糖の摂取が、糖尿病をはじめ、脳血管系、心血管系など、種々の全身疾患に大きな影響を与えていることがクローズアップされています。
糖尿病が悪化すれば、それは歯周病の悪化に繋がるわけで、今や歯科界にとっても再び砂糖を無視できなくなってきました。
表舞台から消えて久しかった「口腔と砂糖の関係」は、ここに来て再び注目されはじめたというわけです。
ところが、気付けば歯科界には砂糖に関する専門家がいなくなっていた、、、と。
近年の日本の歯科界は、砂糖に関する研究に関しては、ポッカリと穴があいた状況なのだとか。

おまけに、今日まで知らなかったことなのですが、我が国の大規模健康調査には砂糖に関する調査項目がないのだそうです。「甘いもの」で一括りになってしまっているのだそうです。
昔ならば「甘いもの=砂糖」であったわけですけど、今は代用甘味料が出回っているので、正確な分析が出来ないのだとか。

う〜む、これはなかなか難しい問題ですね。




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