「すっごいよ」


たかが知れている僕のラーメン探訪キャリアの中で、ではあるが「白飯が最高に合うラーメン」がここである。
僕はラーメンの評価を下す際、スープ、麺、チャーシューの他に、白飯との相性を重要視するのだが、ここのラーメンはもはや相性云々の問題ではない。白飯のオーダーはいわば必須事項であり、この店に来た以上は義務ですらある。理由は後で述べるとしよう。

東急東横線白楽駅前の六角橋商店街の中にある、わずか6畳ほどの狭〜いお店。ここの特長は、何と言ってもとんでもなく濃厚な豚骨スープにある。麺がはいっていなくても単品のスープとして通用してしまいそうな強烈過ぎる個性がある。とろみと乳化具合だけならまるでポタージュスープのそれを彷彿とさせるのだ。

最初に一口スープを啜った瞬間、思わず「ウマイ!」と感じる。これだけ濃厚なスープなのにイヤな豚臭さはなく、口に入れた瞬間の濃厚豚骨独特の臭みも控え目である。

横浜のラーメン屋で豚骨と聞くと勝手に「あぁ、醤油トンコツね」と思ってしまうものだが、なんとタレは味噌がベースになっているのだという。そんな情報を予め仕入れずにこのスープを味わったとしたら、おそらく察知できなかったのかもしれないけれど、これだけの旨味の広がりはやっぱり味噌であろうと、一応偉そうに講釈をタレさせていただく。

麺は太麺で、ぷりぷりした食感が噛む喜びを与えてくれる。咀嚼により広がる麺そのものの味わいも上々。さらにこの麺、スープによく馴染んでいて良いが、馴染み過ぎるあまり非常にスープを吸い、コッテリ度がさらに増す。それ故、中盤に差し掛かる頃、ふと一抹の不安がよぎる。いくら美味しいスープでも、これだけコッテリで濃厚だと後半戦が厳しくなることが多々あるからだ。しかし、ほどなくその心配は杞憂に終わることとなる。それは沢山に盛られた湯通しキャベツに寄るところが大きい。優しい甘さと食感で新しい気持ちでスープを飲ませてくれるからだ。とはいえ、やはりスープの実力が高ければこそ、濃厚でありながらスイスイと喉を通ってしまうのだろう。恐るべし味噌ベース豚骨!

さらに特筆すべきは煮卵の旨さ。これも浅はかな僕のキャリアではあるが、最高の煮卵であると宣言してしまおう。是非、2個オーダーすることをお薦めする。店内には「2個までにして下さい」と貼り紙があることから、3個以上注文する客も多くいたのだろう。まさに逸品の領域である。

そして最後にトドメである。究極の楽しみはまだ続くのだ。麺を優先して食した後は白飯をスープの中に投入しておじやを楽しむという寸法だ。2個の半熟卵のうち1つを残しておく。それを崩し、ご飯とからめてかき込めば、至福の時を堪能することができる。う〜ん、たまらん!。とことんまでスープを楽しむための人類の英知の結晶なのだ。


「すっごいよ」
定休日  日曜日・不定休
営業時間 17:30〜23:00(スープが無くなったら終了)
住所 神奈川県横浜市神奈川区六角橋1−9−1

(お店は現在閉店しております)


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