その2

『生理的口臭について』

人間は生きている限りいつも無臭というわけにはいきません。
口の中には凹凸のある複雑な形をした歯があり、さらに何百億という口腔内細菌が存在しており、新陳代謝も活発に行われています。
毎日いろいろな食品が口の中を通過し、その一部は口腔内に停滞し、細菌の栄養源となります。
このような環境の中で細菌が蛋白質や脂肪を分解すると、代謝産物として口臭物質が産生されるのです。しかし、健康な状態ではその量は少ないので、口臭と感じられることはほとんどありません。
起床直後に、口の中がネバネバしていて不快に感じるのは、夜間の睡眠時に唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口腔内が汚れてしまったからです。
また、空腹時や疲労時にも、口臭レベルが高まることがありますが、これはきわめて正常な反応です。緊張して口が渇いたときに感じる口臭、女性における生理時の口臭、加齢による老人性口臭も、生理的口臭と考えられます。

したがって、「誰にでも生理的口臭はあり、それは起床時に最も強く、口腔清掃や食事により減弱し、空腹・疲労時等に高くなる」ということを理解し、口臭に対する不安を高めない工夫が必要です。



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