あじくら 鬼樽

さて、この店のもう一つの魅力は「オニのお母さん」の存在である。オニのお母さん、と言っても決して怖いヒトではないので念のため。

このお店はグループで来てもよし、1人で来てもよしであるが、1人で来る客は全員と言っていいほど「お母さん」を慕っているのだ。

僕がはじめて鬼樽の暖簾をくぐったのはもう10年以上前の話であるが、最初は職場の先輩に連れてきていただいた。その後、1人でも行くようになったが、若かった当時、1人でお店に呑みにいくという行為は少々の勇気が必要だった。そんな時に、暖かく迎えてくれたのが「お母さん」だった。そして、カウンターに座っているお客さん。彼らも皆、1人で来ていた。お目当ては料理だけではなく、御夫婦の人柄もだった。そう、そしてここ鬼樽は客層の良さも特筆されるものを持っているのだ。そんな人たちと会話が弾み、結果的には病院で歯科医師をしているだけでは決して知り合えない、様々な分野の人たちと知り合うことができた。そのことは僕の人間の幅をずいぶん拡げてくれたと思うし、今の仕事にプラスになっていることに疑う余地はない。大学に在職中は仕事が深夜までかかった時なども、鬼樽のカウンターで一息ついて美味しい料理に舌鼓を打てば、翌日(今日?)の仕事の活力が湧いてきた。職場の仲間と大騒ぎもさせていただいた。大学を退職する時の送別会もここだった。頻度は減ったが、今でももちろん通っている。たまには息子も一緒だが、2人に暖かく迎えられて彼も御満悦である。そう、僕にとってすべてはここ鬼樽から始まったのであった。

あじくら 鬼樽
横須賀市若松町 第2村瀬ビル地下
電話:0468-27-4147(よいしな)
営業時間:18:00〜2:00頃?
定休日:日曜日、祝祭日

(お店は現在閉店しております)


「他の場所にも行ってみる」 「仲睦まじき2ショット」



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