写真拡大

あじくら　鬼樽

横須賀中央駅から歩いてすぐ、第２村瀬ビルの地下にこの店はある。 カウンター６席、座敷１２席の店を通称「オニのお父さん」と「オニのお母さん」の２人が切り盛りしている。 このお店の魅力はこの御夫婦の魅力であると言っても過言ではない。当然、このテのお店であるからその店の料理は重要な点であるが、「お父さん」の繰り出す料理の数々はまさにプロの味。お通しでその店のレベルが大体わかってしまうとよく言われるが、もちろん鬼樽にその辺の抜かりはない。綺麗に盛り付けられたお通しは、現在までクオリティーが落ちることなく、お店に行けば当たり前のように出てくるのである。 ここ鬼樽では旬の海の幸をはじめとして、様々な種類の料理を堪能できる。 海の幸以外でお薦めなのは串焼きである。特につくね、豚バラのシソ巻き、鳥皮、牛タンは絶品で、充分に手間ひまがかかっていることが、僕のような素人にも十分わかるのである。串焼き以外にも砂肝のカリカリ揚げ、ごぼうの唐揚げ、牛レバ刺し、牛タンだけのハンバーグ、同メンチカツ、茄子味噌いため、納豆を使った創作料理の数々、、、挙げはじめると枚挙に暇がない。 冬場なら鴨鍋を筆頭に鍋も旨い。その鍋の後のおじやがまた格別で、腹もいっぱいで幸せな気分になれるのである。全体的に味付けは濃いめか。とはいえ、ただ味が濃いのではない。べたべたと重いのでもない。素材の味が生きた軽快な凝縮感があって、お酒との相性もばっちりである。 お店の規模はいわゆる小料理屋だが料理のレベルは割烹。で、メニューは堅苦しくないものもしっかり取り揃えてあり寛げる。鬼樽に通うようになって、同じ料理でも手間をかけることによって格段に美味しくなることを知った。 よくよく考えてみると、歯科治療でも全く同じことが言えるのである。

「ラーメンでも喰って帰る」　「オニのお母さんのこと？」