「いまむら」

２００２年１０月現在、僕が最もホレ混んでいるラーメンが、ここ「いまむら」のラーメンである。 前出の「めじろ」もそうであるが、ラーメンはもはや完全に中華料理ではなくなっており、進境著しい１つの分野として、日本料理を引っ張る存在であると断じても差しつかえないのではないか。この店のラーメンを食すたびにその思いは確信へと変わっていくのである。 ここのラーメンの印象は「渋さの中にある華やかさ」であろうか。若い男が好みそうなパンチのあるこってりラーメンと対極をなすかのような、繊細な和の味わいの中に、店主のセンスが存分に注ぎ込まれた結果としての華やかさを感じ取ることができる。 家系が良い意味で大雑把な印象（実は家系は非常に計算された味で、大雑把でも何でもないのだが）で確固たる位置を確保しているのに対し、「いまむら」のそれは、食べ進むほどに繊細な華やかさを実感することができるのだ。

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