「松壱家」


札幌ラーメンや喜多方ラーメン、博多ラーメンに代表される御当地ラーメンの中で、横浜ラーメンの地位も既に確立された感がある。
横浜といえば中華街があまりに有名であるが故、どうしてもその方面から発祥したのでは?と考えたくなるのだが、豈図らんや、中華料理のイメージからは全くかけ離れたラーメンであり、これを最初に考案した新杉田の吉村家の独創性は、率直に認めざるを得ないものがある。その後弟子達が独立、暖簾分けなどを経て、神奈川県内には星の数ほどの「いわゆる家系ラーメン」の店がある。もちろん「家系もどき」も多数存在するが、「もどき」が出現することこそ、「家系」がスタンダードとなった証でもあるのだ。当の吉村家はと言えば、今や横浜駅西口に移転して華々しく大繁盛しているのは周知の通りである。
もっとも、家系ラーメンは20世紀中は神奈川県内でしか食せない味というイメージが強かったが、21世紀になってからは全国への進出が著しいものがある。福岡は博多のキャナルシティーに六角家が出店したという話を耳にしたときは、果たして白濁豚骨スープ&細麺に席巻された豚骨ラーメンの「聖地」で、醤油豚骨スープ&極太麺の「家系」が受け入れられるのだろうか?という思いがあったのだが、意外にも繁盛しているらしいから恐れ入る。

蘊蓄はこのくらいにして、実食と参りましょう

実食

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