『悪いホームページの見分け方 5』
悪いホームページとは:3
前ページに引き続き悪いHPを見分けるためのポイントを挙げていこうと思います。
5)こんなに安い!
「他ではあんなに高いのにウチはこんなに安い!」というようなことが書いてあるHPが散見されますが、これもどうかと思います。
しかもそれが医療機関のHPであればなおさらです。
だって、そうでも書かなきゃ誰も関心を示してくれないからでしょ。
とある歯科医院のHPにこんなことが書いてありました。
以下の文章は、まさしく悪しき典型例なわけですが、こういうことが書いてあるHPというのが実際に存在するのです。
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○○歯科ではすべての人に専門認定医による無料カウンセリングを行っています。
あなたの通院中の歯科クリニックはいかがですか?
カウンセリングはいわば窓口。歯科における相談も無料で行うのが当然でしょう。
たとえば口紅を買うとき、テスターを使ったからといってテスター代を要求するところはないでしょう。
又、服を買う時、店員とお話をしたり、試着するのにお金がかかるでしょうか?
常識的な問題でしょう。
専門医の歯科のカウンセリングもそれと同じ。
3,000円とか5,000円、中には10,000円もかかる矯正歯科、審美歯科も日本にはあるといいます。
カウンセリングにお金がかかるところは、注意しましょう。
というよりか、その様なところはどちらにしても患者思いの専門医とは思えません。
カウンセリングにお金のかかるところは、
1) 医者の傲慢さの可能性
2) 1秒たりとも自分が働くという事は大した価値があるのだろうという考え方の可能性
3) 他院に治療が決定してもお金だけは取ってやろうという考え方の可能性
4) 敷居を高くして最初から威厳を見せつけている可能性
5) その他の可能性
以上のような可能性が考えられます。
○○歯科ではカウンセリングは完全無料です。
又、無料カウンセリング時におけるレントゲン検査や型取りなどでは、一切お金はかかりませんのでご安心ください。
世界一流の最先端専門医の常識です 。
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この文章がいかに危ない文章か、お解りになりますでしょうか。
「たとえば口紅を買うとき、テスターを使ったからといってテスター代を要求するところはないでしょう」などと書いてありますが、要するにそのテスター代は商品である口紅の代金の中に含まれているのです。
テスターを試しに使ってみて、その口紅が気に入らなければたしかにお金はかかりませんが、そのかわり、その分のコストは口紅を購入した人が負担することになるわけです。
「服を買う時、店員とお話をしたり、試着するのにお金がかかるでしょうか」などと書いてありますが、当然、相談した店員の人件費は商品である服の価格に反映されます。
店員の数を増やせばキメ細かい相談に応じることができるでしょう。しかし、商品の価格が高くなります。
店員の数を減らせば商品の価格は下がりますが、よほど暇な時でないと相談に応じることはできないでしょう。
医療に限らず経営とは全てそういうものです。
それを無視すると、収支のバランスが崩れて赤字になり、破綻します。
カウンセリングにお金がかからないということは、それが治療費総額の中に最初から入っているということです。
カウンセリングの結果、治療をしなければ確かにお金がかかりませんが、それとは反対に治療をすることになれば「カウンセリングをしたけれど治療をしなかった人」のコストを負担することになるのです。
なんのことはない。そういうことなのです。
6)治療法も時間もすべてあなたのお望み通り、お好きなように出来ます!
こと医療に関しては、このようにできないことがしばしば起こり得ます。
100%アナタの御希望通り!、、、生身の人間を相手にそんなことが出来ればだれも苦労はしません。
これは医療の本質を無視しているとしか言いようがありません。
そして治療の結果に関しても同様です。
最良の治療結果を望んでいるのは患者さんだけではありません。
もちろん我々医療人もそれを望んでいます。
しかし最良の結果は、お約束出来るものではありません。
我々医療人が患者さんに「約束」できること、それは誠意を尽くし、全力を尽くすことだけ、それだけです。
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