『ブラキシズムを御存知ですか?』
歯ぎしり、食いしばり、噛みしめなどを総称してブラキシズムと言うのですが、ウチの患者さん達もブラキシズムをしている方々が多数いらっしゃいます。
このブラキシズム、歯周病の進行を急速化させる厄介な代物です。
自覚症状のない場合が多いというのが、さらに厄介な点です。
症状が出たとしてもそれは、歯がしみたり、噛むと痛かったり、顎の不快感だったり、苦痛度としてはそれほど強くないのもまたまた厄介な点です。
その症状も強くなったり弱くなったり消失ししたり、、、また強くなったり、、、
そして、もっとも厄介な点、、、
それは患者さん自身がブラキシズムをしている自覚がないことです。
ブラキシズムは睡眠中に起きるものなので、強い歯ぎしりで大きな音を出さない限り、食いしばりや噛みしめ程度では家族の方もわからない、、、寝室が別なら歯ぎしりをしても誰も分かりません。
我々がブラキシズムを指摘しても、ほとんどの方が「そんなはずはない」と答えられます。
明らかに歯がすり減っているのを鏡で見ていただいても、なかなか信じていただけません。
ブラキシズムを自覚し、そして理解し、こちらの言うことを信じていただかないことには、そこから先の治療には移行出来ません。 不快感や痛みなどの症状が出ている場合ですと、有効な処置が出来ないままということになるので、患者さんと我々の信頼関係にも悪影響を及ぼします。
原因はブラキシズムなのに、それを説明しても「そんなはずはない」となってしまうと治療が出来ないわけです。 でも患者さんは「この痛み何とかしてよ」となるので八方塞がりです。
、、、思うに、これって、「ウチの子に限って」というのに似ています。
自分の息子が親の知らないところで悪さをしている場合、他人から「実はおたくのお子さんが、、、」と指摘されても「ウチの子に限ってそんなはずございません」となってしまうと、ラチがあきません。
そしてこれが凶悪犯罪ではなく、完璧な立証が難しい「悪さ」程度だと本当に厄介です。
ブラキシズムがまさにそうです。