フロリデーションは、WHOが勧めるフッ化物の全身応用として優先順位が最も高い方法であり、公衆衛生施策として必要な4本柱である「安全」「安価」「有効」「簡便」の条件を具備しており、費用対効果の観点からも優れた方法であることは、既にフロリデーションが普及している先進各国をはじめとした世界61カ国での実績からも明らかです。
しかしながら、日本では現時点で実現できている自治体は存在しておりません。
人口が密集し水道普及率が高い地域では最適なムシ歯予防手段となり得るわけで、我が国には適しているはずなのですが、実施できていないのは何故でしょうか。
それには主に以下の3つの原因が考えられます。
- WHOの推奨するフロリデーションにおけるフッ化物の至適濃度は、温帯地域では1ppmであるが、日本の水道法では0.8ppm以下とだけ定められていて、至適濃度の設定がなされていない。
- フッ化物応用に対して反対運動を行う勢力(団体)がある。加えてその中には歯科医師も存在する。
- フロリデーション自体が、国民からの認知度が低い上、その内容について理解されていない。(歯科医師ですらフッ素については正しく理解していない者が多い上に、間違った情報を発信している歯科医師も多い。)